
このような悩みをFP1級保有の筆者が解決します。
この記事では、学生納付特例制度を利用するといくら年金が減るのか、満額もらう方法、追納のメリット・デメリット等を簡潔にまとめています。
学生納付特例制度を利用した人は一読の価値有りです。
特例制度の利用者が追納しないと年金額は減る
学生時代に学生納付特例制度を使っていた人は多いのではないでしょうか。
この特例を使った場合、年金が免除されたわけではなく、猶予されただけです。
そのため、追納しないと年金が削減されます。
免除・・・免除の割合によって一部年金額に組み入れることが可能
猶予・・・年金額への反映がない←学生納付特例はこちら
年金額は下記のように計算します。

出典元:日本年金機構HP
仮に大学2年間24カ月分を猶予したと仮定すると受け取れる年金額は741,095円/年です。
学生納付特例制度を使ったことで年間39,005円年金が減ることになります。
人生100年時代と考えて65歳から100歳までの35年間を考えると生涯で約136万円年金が少なくなります。
大学の2年間で猶予されて払わなかった保険料は約38万円です。(保険料を16,000円とした場合)
たった2年間年金を払っていなかっただけで実は、年金額に大きく差がでます。
ココがポイント
75歳以上生きると追納した方が得になる
※追納による減税効果は考慮せず、支払い保険料と年金額のみで計算
年金を満額受け取るためには追納をすればOK
猶予を受けていた時の年金を後払いするのが追納です。
追納には注意点があります。
追納の注意点
- 猶予されてから約10年以内に追納しないといけない ※1
- 約3年以上経ってから追納する場合は、追納の保険料の加算あり ※2
※1 追納承認された月から前10年以内の年金であること
※2猶予された期間の翌年度から3年度以降に追納する場合は、経過期間に応じた加算額がある
令和1年度中に追納する場合の保険料は下記の通り

出典元:日本年金機構HP

年金を追納するメリット
- 所得税、住民税が軽くなる(社会保険料控除が受けられる)
- 年金額が増える(長生きすればするほど得)
仮に現行の受給開始年齢、年金額などが維持されるなら追納する価値はありますね。
年金を追納するデメリット
- 早死したら損する
- 受給開始年齢や年金額などの年金制度が変わるリスク
- マクロ経済スライドにより、物価上昇ほど年金額が上がらないリスク
※マクロ経済スライドとは
→年金制度は本来、物価上昇割合に応じて年金が増える仕組みがあります。
しかしこの制度があることで物価上昇率ほど年金額を上げないようにします。
2020年4月から年金額が0.2%上がるという発表がありました。
本来なら物価上昇に合わせて年金額が0.3%上がるところ、マクロ経済スライドによって0.2%に抑えられたというわけです。
結局追納した方がいいの?
金利のつかない預貯金として入れておくくらいなら追納はお得になる可能性が高いと思います。
ちなみに追納を特にお勧めしたい人は下記の通りです
・給与アップなどで所得税の税率が上がった人(控除の効果が大きい)
・ある年だけ、特別な収入があり年収が高くなる人(控除の効果が大きい)
・75歳以上長生きする自信のある方‼︎
