iDecoは節税効果が高いと聞いたけど50代から加入するのは遅いかな?
こういった疑問を1級FPのごはんが解決します。
本記事では、50代からiDecoに加入するメリットとデメリットをまとめています。
また、加入する場合の注意点やポイントも分かりやすく説明します。
目次
結論:50代からでもiDecoを始めるべき
iDecoの加入は50代からでも遅くありません。
理由は、メリットの方がデメリットよりも大きいからです。
毎月23000円ずつ積立をした場合、課税所得が695~900万の方だと91,080円の節税効果があります。
10年間で100万円近く節税できます。
ココがポイント
50代からでも節税額の合計は約100万円
普通預金の金利は大手銀行だと0.001%程度しかつきません。
そこに眠らせている300万円をiDeco口座で運用していくだけで大きな節税ができます。
(iDecoで定期預金にすることも可能)
50代でiDecoを始めるメリット
メリット1: 税金の控除額が大きい
iDecoは課税所得が高ければ高いほど、節税額が大きくなります。
そして50代の方は、所得が高い傾向あります。
そのため、50代から始めると節税メリットが大きいのです。
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iDeco節税額一覧
目次1 iDeco節税額の目安一覧(掛け金12,000円の場合)2 iDeco節税額の目安一覧(掛け金23,000円の場合)3 課税所得の求め方(給与所得のみ、サラリーマンの場合)4 参考:給与所得控 ...
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課税所得 | 所得税 | 住民税 |
所得税メリット |
住民税メリット | 節税合計 |
~195万 | 5% | 10% | ¥13,800 | ¥27,600 | ¥41,400 |
195~330万 | 10% | ¥27,600 | ¥27,600 | ¥55,200 | |
330~695万 | 20% | ¥55,200 | ¥27,600 | ¥82,800 | |
695~900万 | 23% | ¥63,480 | ¥27,600 | ¥91,080 | |
900~1800万 | 33% | ¥91,080 | ¥27,600 | ¥118,680 | |
1800~4000万 | 40% | ¥110,400 | ¥27,600 | ¥138,000 | |
4000~ | 45% | ¥124,200 | ¥27,600 | ¥151,800 |
メリット2: 10年加入すれば受け取れる
iDecoは60歳以降にならないと受け取れません。
そのため、若い方が加入すると非常に長い契約になります。
一方で50代の方が加入すると10年間の加入で受け取れるので、気軽に始めることができます。
50代でiDecoを始めるデメリット
デメリット1: 受け取りまでに待機期間が発生
iDecoは60歳以降に受給ができる制度です。
ただし、加入期間が10年未満の場合は受給開始年齢が遅くなります。
また、現在の法律では60歳以降は掛け金を掛けられません。
そのため、60歳〜受給開始年齢まで待機する形になります。
管理料が年間800円程度かかります。
加入期間 | 受給開始年齢 |
8年以上 | 61歳 |
6年以上8年未満 | 62歳 |
4年以上6年未満 | 63歳 |
2年以上4年未満 | 64歳 |
1月以上2年未満 | 65歳 |
ただし、今後法律改正が予定されています。
サラリーマン(第2号被保険者)であれば65歳未満まで掛け金をかけることができるようになる予定です。
詳細は、2019年12月の税制大綱に記載されています。
掛け金を掛けられるということは、節税メリットも60〜64歳まで受けられることになります。
そうなるとこのデメリットはほぼ解消できそうですね。
デメリット2: 運用期間が短い
積立投信のメリットは、時間を武器にできることです。
そのため、30代などで加入した方は30年近く運用期間があるので年金原資を増やしやすいです。
一方で50代から加入すると10年程度なので、運用できる期間は短くなります。
iDecoの改正ポイント
2019年12月の税制大綱に盛り込まれていた改正ポイントをまとめました。
現行 | 見直し案 | |
加入年齢 |
国民年金被保険者 のうち60歳未満 |
国民年金被保険者 ※ |
受給開始年齢 | 60〜70歳で選択 | 60〜75歳で選択 |
企業型DC加入者の規約 |
iDeco加入を認める 規約必須 |
撤廃 |
特別法人税停止措置 | 2020年3月まで | 2023年3月末まで |
詳細は以下の記事をご覧ください。
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【令和2年度】 iDeco 改正まとめ
目次1 令和2年 iDeco改正案 ポイント4つ2 加入可能年齢が最高65歳未満に3 特別法人税の課税停止措置の延長 令和2年 iDeco改正案 ポイント4つ iDecoの改正案の中で特に重要なポイン ...
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50代からiDecoに加入する時のポイント
ポイント1:元本保証の商品で一部運用する
iDecoは運用のイメージが強いかもしれませんが、実は元本保証商品も選べます。
例えば、SBI証券だとあおぞら銀行のあおぞらDC定期(1年) が選べます。
こちらは、預金保険機構の保護対象商品なので金融機関の破綻時にも保証があります。
ポイント2:出口戦略を見据えて加入
iDecoは、節税メリットが大きいですが実は受け取り時は課税対象となります。
ですが、課税の仕組みを理解して上手に受け取りをすることで課税されることなく受け取ることも可能です。
オススメは、年金受け取りと一時受け取りの併用です。
詳細を知りたい方は是非以下の記事をご覧下さい。
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【税金を抑える】サラリーマンのiDeco受取方法
iDecoは受け取り時に課税扱いとなります。受け取り方法を選べば大幅に節税して受け取ることができます。受け取り方法を選ぶ前に本記事を読んでどの方法が一番自分に合っているか決めてください。
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まとめ:50代からiDecoに加入するメリットは大きい
iDecoは、一部デメリットもありますが、やはり節税効果が非常に大きいです。
10年の加入で、100万円近く節税できる上に、将来の年金を増やすことができます。
iDecoは自分のためだけの年金なので、積立した年金原資を将来必ず受け取ることができます。
せっかく加入をするなら、1ヶ月でも早く始めた方が節税メリットが大きくなります。
手続きが面倒と思われる方も多いかと思いますが、まずは申込書類を取り寄せるところからはじめてみませんか。